加登のひとりごと。
つい最近、麹の分析器を購入しました。
作業内容がすんごいめんどくさいです。
前日に麹エキスをつくって、麹の分析はストップウォッチを見ながら1秒単位
で順次薬液や麹エキスを入れていくんですが、分析する成分に(グルコアミラーゼ・アルファアミラーゼ)によって、手順はほぼ同じなのに、薬液や麹エキスの量が微妙に違うというやっかいさ
そしてそれを秒単位で作業に追われて、手順を間違えたり、秒数を間違えたら全て最初からやり直しになります。(だいたい1検体当たり20分)
これが複数検体重なると、まぁめんどくさい。
毎年、何十もの麹を新潟県醸造試験場に送っては仕込みに影響するから早く分析値が欲しいとわがままを言っていましたが、僕が試験場の先生で、蔵から毎回急かされたら普通にキレてそうだなと思いました笑
いままで分析をしてくれた試験場の先生がた、大変お世話になりました。わがまま言いまくってごめんなさい。
これからは自社で分析するので、あんなに麹が送られてくることがなくなると思います。
次にこんな蔵元が出てきたら僕のことを思い出してください笑
自社で分析するようになって、即製麴や仕込みに反映させることができる様になりました。
いままでは早くて1週間、長くて3週間くらい分析値を待っていたのですが、その間に3〜10個くらいは製麴があるわけです。PDCAサイクルが長すぎるとイライラしていましたが、今回から毎回改善をすることができます。
やはり設備投資は酒質の改善において、何よりも大事な要素です。
製造技術
今回の鳴神は、何らかの条件が重なって、4mmp(今本当は4mmpと言わないらしいですが、業界的にその方が通じるので4mmpと記載します)が、くっきりはっきりと香りに表れています。
春陽などのいわゆる「低グルテリン米」を使用した時に出る4mmpではなく、真吟精米のお米を使用した時や、9号系酵母(サクイソ系酵母なのか?僕が知る限りこの香りは9号酵母がほとんどです。正直この香りは雨後の月からしか感じたことがありません。)をうまく使用することができた時に出る4mmpです。
「何となくマスカット」は過去の雅楽代シリーズでも多々あるのですが、完全に白ブドウだ!!となるこの感じは初めて。そしてその条件が何となくわ
かった気がします。
今はまだ仮説なので詳しくは記載しませんがこれからその仮説をもとに実験していきます。
ざっくりとしたポイントはおそらく、アミノ酸値/蒸米の質/精米歩合/もろみ経過/米の溶け具合あたりがこの香りを出す要素であろうと見ています。
そしてこの香りが鳴神で出たというのが大きいです。
これが他のお酒であれば、まだわからない条件があったのですが、鳴神で出たことによりある条件は必須となり、ではその条件に合わせるためになにをどう変えるか、という製造条件を整える作業に入れるわけです。
まだなぜこの香りが出るのか完全に解明されていない中、この香りを意図して造り分けることができたら楽しいだろうなぁ。
いろいろわかったらまた報告しようと思います!
テイスティング
上立ち香は完全に白ブドウ、マスカット、4mmp。常温になるとより強く感じます。
今回、日本酒度は+5、グルコールは低すぎて測定不可。ですが、雅楽代らしい優しいほのかな甘みがほんのりと口の中に広がります。
綺麗でスムースな飲み口から、軽やかでほのかな甘み、雑味をほとんど感じないアフター。
今回の鳴神は過去、鳴神を製造するきっかけとなった2022年度の試験醸造超辛口以来の完成度の高さだと思います。
食中酒として料理に合わせて、特に白身魚のお刺身や、焼き鳥ならささみの梅しそ乗せとか、淡白でシンプルな料理がベストですが、合わせにくい料理も少ないのではないでしょうか。強いていうなら油が強すぎる料理は難しいそう
な印象です。