5. B-BOYを探せ!
スーパーで食材を買い、夕飯を食べた後はダンス仲間を探しに街へ繰り出した。ザンクト・ガレンくらいの大きさの街になれば、ダンサーは必ずいるはずだと踏んでいた。街の人たちにも、「ブレイクダンスをやっている人たちを知らないか?」と聞いて回ったところ、Flonという場所で定期的にダンスイベントが行われているらしいという情報を入手することができた。しかもFlonは寮からかなり近い!最高だ!
3日ほどFlonの周りを歩いたある日、ついに見つけた、しかもBBOY(ブレイクダンサー)たちだ!!
「ich tanze breakdance, so moechte ich mit Ihnen tanzen!」
こんな感じで頑張って話していたんだろう。
ドイツ語がわかる人からしたらなんとも可愛らしいドイツ語であろうか。笑
彼らは戸惑い半分、面白半分で僕のことを見ていていたが、受け入れてくれた。今日から練習もできるし、なにより今後生活する街にダンス仲間ができたのだ!
初めてできた海外のダンス仲間に嬉しさが爆発していた。しかもとてつもなく上手い。技術を間近でたくさん見れて盗むことができる!
そして、彼らとの出会いが僕の留学生活を良くも悪くも一変させ、僕の人生を大きく動かしていくことになる…
2013.09.26
彼らと出会ってからは大学の授業が終わるとすぐflonへ向かった。
大学のやつらとは…正直あまり話した記憶がない。頭の中はダンスのことでいっぱいだった。
この日、いつものようにflonへ向かおうとすると、チームのリーダーであるミシェルからメッセンジャーに1通のメッセージが入っていた。
「今日はflonじゃなくて、ここに来てくれ。
俺らの本当の練習場所だ。招待するよ。」
メッセージとともに住所と施設の名称が送られてきていた。
ALL IN 1 DANCE SCHOOL
別にダンススクールに通うつもりはないけど…まぁ、行ってみるか。
指定された場所に着く。怪しいライトが薄暗く光り、ガラスのドアの先には地下へと続く階段が見える。映画でよく見るようなアンダーグラウンド感満載の場所だ。
もしかして…やばいところに呼び出されてしまったかもしれない…
戸惑ったものの、意を決して中へ入ることにした。
続く…