〈製造ログ〉天領盃酒造 R6BY 雅楽代〜月華〜(生)
加登のひとりごと。 11月に入り、一気に蔵の中も忙しくなってきました。洗米、仕込み、製麴、上槽、瓶詰め、火入れ、ラベル貼り、出荷などなど...全ての作業が一気にまとまってやってくる年末年始のこのシーズン。 新人たちもこのシーズンにどれだけついて来れるかで今までの仕事の習熟度も自然とわかるし、経験者もスピード感を持って仕事をしないとどんどん仕事が溜まっていってしまう。年末年始の2ヶ月は全員の仕事量に大きく負荷がかかります。けど、この負荷があるから、年末年始を乗り越えた時には全員の作業レベルが上がっているんですよね。必然的に作業スピードも上がるし、効率的に動かな練れば時間内に仕事を終えることができない。 僕は常に残業について厳しく言っています。作業量を見越して当日の人員を決めているのに、残業しなければならないというのは、定時までの時間を逆算して仕事ができていなかった証拠。仕事が始まるまでに準備を怠った証拠だと。何事も準備段階で勝負はほぼ決まっているんだと言っています。 仕事は段取り良くテキパキと、しっかり定時に上がってそれぞれのプライベートな時間や自己研鑽の時間に。 オフの時間もしっかり確保しないと精神的な余裕がなくなってしまう。オンオフしっかりと、メリハリのある会社を目指したいものです! 製造技術 今、月華が新しくなろうとしています。今回の月華を製造して、僕の中で今のままではいけないと思う様になりました。それは何かというと、現在月華に使用している酒米である五百万石から別の酒米に切り替えることです 今まで、月華は雅楽代を代表するお酒であって欲しい→ 新潟を代表する酒米五百万石を使用していました。そして五百万石は新潟県の中では比較的金額も上の方なので、農家さんへの還元もできるためです しかし2年ほど前から、新潟県における五百万石は崩壊していると感じています。もともと固く溶けにくく淡麗な酒質になりやすいと言われている五百万石が、高温障害により、もう、溶けにくいどころの騒ぎではなくなっています!平気で粕歩合が60%を超えてくるし、もはや理想のボーメ値( 日本酒度/ 甘味成分) をもろみ中に出すことができず、品温を理想の経過よりも抑えながら製造しているので、更に米が溶けなくなる+酵母にとっても負荷を与えているという悪循環。五百万石へのこだわりは捨てようと思います 変化を受け入れられなければ成長はないし、月華をよりよくするため、次のステージへと移ろうと思います。次、使用するであろうお米は、一本〆またはこいいぶきになろうかと思います。こしいぶきは食用米ですが、酒造適正も十分にあり、酒も造れれば、食べても美味しい超万能選手。 そして、これも2年ほど前から気がついていたことなのですが、ぶっちゃけ、酒米よりこしいぶきの方がいい酒できるんじゃないかと思っています笑優しい丸みのある味わいになりやすいんですよね、うちの酒質には実は酒米よりも食用米の方が向いているのかも... テイスティング こちらは日本酒度マイナス2、グルコース0.8と普段通りの雅楽代〜月華〜の数値。ですが、暖かい時期の仕込/去年のめちゃくちゃ硬い米を使用していることもあり、少し鳴神と近いテイストになってしまっています。グルコースは0.8なのですが、酸がいつもより少し高めのため、数値よりも淡麗に感じるかもしれません。 上立ち香は少し青いメロンの様。口に含むと軽やかなタッチの少しとろみのある口当たり。ライトな甘みのあとは、五百万石らしい渋みや苦味がほのかに広がります。この苦味渋みも大事な味わいの要素。ありすぎてもNGですが、適度にないと、起承転結、メリハリのないのっぺりとした酒になってままう。味覚ってほんと難しいです笑