〈製造ログ〉天領盃酒造 R7BY  雅楽代〜竜王〜

加登のひとりごと。

今期の酒造りが始まりました!

今年は9月の月初から仕込みを始め、終わるのは来年の6月中旬の予定です。約9か月半、天領盃酒造にとって過去一番の長丁場になります。まだ始まったばかりですが、6月までの予定を眺めているとなかなか気が遠くなりますね笑

ここまで長い期間酒造りを続けることになったのは、天領盃酒造のお酒を求めてくださる方が増えたから。本当にありがたいことです。2019年の雅楽代を造り始めた時なんて、雇用があるからどうやって製造期間を伸ばして暇にならないようにするか考えていたっていうのに笑
一方で、現在はお酒の供給が追いついておらず、楽しみに待ってくださっている皆様や販売店の皆様にはご迷惑をおかけしてしまっています。
イベントでも、お客様から「雅楽代は入荷してから1週間とかでなくなっちゃうからなかなか買えないんです」とか「ほんとはもっと買いたいけど数量制限があって…」などの声をいただくと、ありがたいし、嬉しいけど、それ以上に申し訳ない気持ちになります。

なので、今年も製造量がまた少し増えるわけですが、もう今の設備では限界を超えています。
しかし、造る量が増えても、一つひとつの仕込みと向き合う姿勢は変えたくありません。待っていただいた分、「やっぱり飲めてよかった」と思っていただけるお酒をしっかりお届けしたい。長い製造期間になりますが、蔵人全員で力を合わせて頑張っていきます!

とはいえ、今期の製造量で現在の設備ではどう考えても限界です。仕込みの予定を組むたびにあれも足りない、これも足りないと頭を抱えています…。
来年は設備投資もがっつり行わないと。今期の造りが始まったばかりなのに、もう来年の設備のことを考えている今日この頃です。

製造技術

ウロボロスから名前を変え、雅楽代シリーズに加わった竜王。いわゆる貴醸酒タイプのお酒です。

ただ、雅楽代が目指している「新しい新潟淡麗」のイメージと、一般的な貴醸酒=濃厚、なイメージには開きがあります。そこで竜王では、貴醸酒ならではの甘みや奥行きを持ちながら、雅楽代らしい軽やかさも感じられる酒質を目指しています。僕の中では「貴醸酒界の淡麗ポジション」をつくるイメージです。

今回の竜王は、これまでのウロボロスと比べても特に軽やかな仕上がりになりました。ラベル表記上のアルコール度数は14%ですが、実際は13%台で、貴醸酒らしい艶やかな甘みを感じられつつも、飲み終わりに甘さや重さが残らないバランスを狙っています。

その軽やかさをつくるためにもろみ初期の汲み水を例年より5%ほど多くしたり、例年よりも発酵がしっかり進むようなレシピにしました。もろみ中盤の追い水も例年より増やしています。ただ、水を増やして軽くするだけでは味わいが薄くなってしまうので、麹の造り(麹の甘み成分)も調整し、甘みの土台を例年以上にしっかりつくりました。

軽やかだけど薄く「は」ない、甘いけど重たく「は」ない。この両立が、この「は」が竜王では特に大事なところです!
火入れをした今回のお酒でも、そのバランスを楽しんでいただけたら嬉しいです。

香りも面白く、ラムレーズンのような少し重厚で複雑な香りと、雅楽代らしいラムネのような香りが重なっています。貴醸酒らしい表情と雅楽代らしさが、ひとつのグラスの中に同居しているようなお酒になりました。

テイスティング

グラスに注ぐと、まず感じるのはラムレーズンを思わせる落ち着いた甘い香り。その奥にラムネのような爽やかな香りもあり、香りだけでも古酒を使った貴醸酒の竜王らしい新酒と古酒の独特の不思議な重なりがあります。

口に含むと、艶やかな甘みがふわっと広がり、甘み自体はしっかりあるのに飲み口は想像以上に軽やか。「貴醸酒だから、きっと甘くて重たいだろう」と思って飲むと少し驚くかもしれません。雅楽代らしい軽やかさはうまく表現できているかなと思います。

最初は甘みに意識が向きますが、口の中で味わっていると後から酸味が顔を出します。この酸味があることで甘みがだらだらと残らず、次のひと口へ自然と手が伸びるような仕上がりになっています。

食事となら味わいのしっかりした中華料理とも合わせてみてほしいです。甘みと軽やかさがあるので、料理の味に負けず、食事の途中でも飲み続けられると思います。

気軽な晩酌なら、塩味のあるおつまみがおすすめ。生ハムや生胡椒の塩漬け、燻製チーズあたりは相性が良さそうです。まずは竜王だけでゆっくり味わって、その後におつまみとの組み合わせも楽しんでみてください!

蔵元の加登仙一がお届けします、

日本酒がより美味しくなる天領盃酒造のLINE

天領盃酒造では今後さまざまな企画やお酒のことを積極的にLINEで情報としてお届けします。より深く日本酒を楽しんでもらうために是非LINE登録をお願いします。