【朱鷺と生きる島、佐渡】
みなさん、佐渡で育てられたお米の秘密、知っていますか?
佐渡は全域において50%以下の減農薬・減化学肥料での栽培が推奨されている特別な農業環境にある島です。
その背景は佐渡に生息する天然記念物、朱鷺が深く関わっています。
朱鷺は湿地帯や水田など、湿潤な環境を好みます。かつては日本全国に生息していましたが、20世紀初頭には乱獲や生息地の破壊により、数が激減しました。
朱鷺はカエルや小魚、昆虫などを主食とし、水田や湿地で餌を探します。このため、水田は重要な朱鷺の餌場なんです。
しかし、化学肥料や農薬の過剰な使用は水田いる生物に悪影響を及ぼし、朱鷺の生息環境を悪化させます。
農薬/化学肥料の過剰な使用が朱鷺の絶滅に寄与した要因の一つでもあります。
日本で唯一の朱鷺の生息地域となった佐渡は、
朱鷺といきる島として朱鷺の生態系を維持する活動を積極的に取り入れており、その一環となるのが減農薬/減化学肥料による特別栽培です。
日本の規定の50%以下の減農薬、減化学肥料が銘打たれ、
これにより、朱鷺の餌となる生物が豊富に生息する環境が維持されており、佐渡に朱鷺の姿が多く見られるようになっています。
天領盃酒造で使用している原料米は減農薬/減化学肥料で栽培された米になります。
減農薬/減化学肥料米はタンパク質が少なくなる傾向があり、タンパク質が少なくなると、お酒にした際にアミノ酸が少なくなります。
アミノ酸が少なくなることにより、きれいな味わいになり、繊細な味わいを表現することができ、そこに金北山からのミネラル豊富な水が独特の深い奥行きを酒に与え、天領盃酒造独特の味わいへと変化していきます。
減農薬/減化学肥料の特別栽培を実践することで、土壌や水質を守り、自然と共生する酒造りを推進し、次世代にわたって持続可能であることを目指し、土壌の健康を保ち、長期的な農地の生産性を維持しています。
この米を原料とした独特の深い奥行きのある、自然の恵みを最大限に活かす酒造り。
朱鷺と共に生きる島として環境保護と農業の両立がなされ、佐渡と農家さんの努力と想いが詰まった特別栽培米。
このお米を大事に大事に、佐渡を表現する酒を醸し、全国、そして世界へ「佐渡」を伝えていきたいと思います。
3.雅楽代の醸造哲学
へと続く…