加登のひとりごと。
気がつけばもう9月。
そして気がつけばもうR7BYの酒造りが始まりました。
数年前は10月に入ってから酒を造っていたのに、酒造り開始時期は年々早くなっていて、去年は9月18日、今年は9月12日。
しかしこれ以上酒造り開始時期を早めるのは今の設備環境ではほぼ不可能。
できることはできるのですが、品質が追いつきません。
製造期間を延ばすために蔵内を冷蔵化するか、仕込み規模を大きくするか。非常に悩ましい。
ちなみに仕込み規模を大きくするというと、品質が下がるのでは?と思われる方も多くいらっしゃいますが、これは誤りです。小仕込= 高品質になりやすいというのは全く根拠がないです。
むしろ、1200〜1500kg 仕込みくらいの規模のほうが品質は安定します。
400kg 〜6000kg の仕込みをしてきた経験上、小仕込みはむしろやりにくい、というのが僕の答えです。
小さすぎると温度変化に左右されやすい、大きすぎると温度コントロールが不可能になる。
小さすぎる船だと不安定、大きすぎる船だと小回りが利かない。
ちょうどいいサイズの船が一番航海しやすいわけです。それが僕の中では1200〜1500kg 。
現在の雅楽代の仕込み規模は1200kg 。
最大1500kg までいけますが、そうすると弊社としての課題はカス歩合が高いこと... 。
ヤブタが詰まってしまうんですよねぇ... 。
今後どのように製造規模を増やしていくのがベストなのか、考える日々は続きそうです。
製造技術
玉響は雅楽代シリーズの中での甘口担当のお酒。
前回の製造ログでも記載したのですが、普段淡麗なお酒を造っている僕からすると、甘口のお酒を造るのって結構苦労します。
そもそものもろみ経過も違うし、脳の回路を一回リセットしてもろみと向き合わないと行けないんです
いつも通りに製造していると、
「あれ、なんか甘みきれすぎてない?」
となってしまいがち。普段と違うタイプのお酒を造っていてしみじみ思うことは、僕って器用じゃないんだな。ってこと。
違うタイプのお酒を器用に造り分けすることが苦手というか、一本ずつ仕込んでいるならいいのです
が、他にも10本近いもろみを同時進行で発酵管理している中、一本だけ甘口タイプが紛れ込んでいるとどうしても他の淡麗タイプのもろみに引っ張られがち。
そして途中で気がつくわけです。
「あかん!このままだと月華になってしまう!!」と。
6年間酒造りしていて、最近はようやくこの現象が少なくなってきましたが、つい数年前まで毎回こんなことを繰り返していました。しかし、この経験から軌道修正をする技術を身につけたと思ってます。物事は捉え方次第ですね笑
今回の玉響は例年の玉響よりも少し膨らみを持たせるように設計してみました。
より普段の雅楽代シリーズとの違いをわかりやすく感じてもらえるようにと考えて造ったので、月華や鳴神と飲み比べてみると面白いかもしれません。
テイスティング
今回の玉響は日本酒度- 8、グルコース2. 8と、月華と比べると3倍近い甘み成分を含んでいます。鳴神と比べると14倍です笑
ぽてっとした丸みを帯びた綺麗な甘みが口の中に広がり、後から追いかけるように酸味が顔を出します。
雅楽代らしい白ブドウやラムネを思わせる爽やかな清涼感のある香りも伴い、果実感が一番強いお酒です!
しかし、すっきりとフェードアウトしていくので、重たい甘みは残らずきれいな起承転結のある味わいをお楽しみいただけると思います!
秋の味覚にもぴったりなこの玉響、ぜひ飲んでみてください!