〈製造ログ〉天領盃酒造 R7BY  雅楽代 代表酒(生)

加登のひとりごと。

9月の半ばから始まったR7BY。
気がつけば、酒造りが始まってもう2ヶ月が経過しています。
そして、今回の新酒リリース... 。本当に時間が経つのが早すぎる!

今年の天領盃酒造は、過去イチばたばたとしたシーズンがこれからスタートします。
昨年の倍量を超える出荷に、12月も月末まで仕込み。倍量の出荷をこなしながら仕込みも並行して行う... これから人員を増やして万全な体制で最も忙しい12月を乗り切らないといけません。
なんやかんやで毎年スタッフが増えている気がします。2018年、僕が蔵を引き継いだときは9名ほどでしたが、現在は16名。
そして今は4名のパートスタッフを募集しています。
ありがたいことに人員募集をかけると、毎回30名近い応募をいただきます。しかしながら採用するのは1、2名。0名だった時もあります。

最近思うのは、社員の年齢は若ければいい、というわけではないこと。
年下すぎても年上すぎてもいけない、絶妙なバランスと、横に広がる年齢層ではなく、縦に広がる年齢層の会社にしていかないといけない。
でないと、僕が60歳になる頃には、全員60歳になってしまうので、これからは上の世代の方々を入れて会社の年齢層に厚みを出したいなと考えています。

お酒も造りながら、会社の今と未来を見て、考えて... ただ頑張ってお酒を造っていればいいフェーズは、気がついたら終わっていたようです。

製造技術

今年度は造り始め初っ端から新米を使って仕込んでいることです。
「え、普通そうなんじゃないの?」って思われる方もいらっしゃると思います。実はほとんどの酒蔵さんは造り始めは古米を使用します。
弊社もそうです。「通常なら」。
古米だからといって品質が悪くなる、とかは一切なのでご安心を。むしろ昨年データがあるので安定してスタートを切ることができます、だからみんな古米からスタートし、新米と半々になり、完全新米へと切り替えていきます。

しかし!!今年の天領盃酒造には、持ち越しの古米がありませんでした。
なぜかというと、昨年、予定以上に増石したからです。
嬉しい悲鳴なのですが、それが今、めちゃくちゃ苦労の種になっています。

100%新米のデータが何もない、完全暗中模索状態でお酒造りをしているからです。
今年の米の特性がわからないまま、ガイドブックなしに迷路を攻略しようとしてるようなもんです。

なので、昨年の一番よくできたお酒のレシピ、もろみ経過などを参考にお酒を造っています。
逆に、この新酒1本目はぜひ火入れのお酒と飲み比べてみてほしいです。そして今後出てくる同商品とも飲み比べてみてほしいです。
昨年のベストを米の年度が変わるとどのように味に影響するのか。そして今後出てくるお酒はどのように対応を変えて味わいを変化させていくのか。

天領盃酒造のお手並み拝見。を数ヶ月かけて楽しむことができると思います。 

テイスティング

全体をとおして、今年の新酒は香りが穏やかです。
理由としては今年の佐渡の米は全然溶けない!
溶けないと酵母のえさも少なくなってしまうので、必然的に香りも抑えめになりますが、今年の米の特性はどこの蔵よりも早く分かりましたので、今後造っていくお酒はしっ
かり香りも出していけると思います。

味わいとしても、僕がテイスティングしたしぼりたての時には少し新酒硬さがありましたが、しぼってから2週間寝かせてのリリースですので、味わいとしても角が取れつつある頃合いかと思います。

月華、鳴神は香り以外は比較的良い仕上がり、日和が米が溶けなかったこともあり、昨年よりも少しスリムな印象を受けますが、適度な膨らみを感じる良いお酒になったと思います。

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